校長の挨拶
とこしなえの幸あれや聖パウロ
聖パウロ学園は、創立以来一貫してキリスト教理念に基き、人に役立つ人間づくり、より良き人類文化発展に寄与する人間づくりを教育の柱として平成17年度より通信制も開始しました。
今までいろいろなことがあったかもしれません。しかし今からでも遅くありません。「自分育てから始めてみませんか。自分を認めてあげて、自分の中に眠る才能を少しずつ育てましょう。つらいこともあったかも知れません。でも少しは楽しかったことや人に喜ばれたこと、得意なことの中に、きっとあなたの夢はある筈です。あなたという土壌の中にその種は眠っています。それが発芽して花開くかどうかはあなた次第です。芽が出そうなのに、土の上に「不安」「不信」という重しを載せていたのではないでしょうか。また、せっかく芽が出たのに水をやらず枯らしてしまったのかもしれません。でも、その種は発芽のタイミングをずっと待っています。
神様は素敵な贈り物を一人ひとりに用意してくれているのです。しかし、贈り物の包装紙がきれいに見えないのはきっと、あなたを驚かせるために違いありません。校長として、私にできることは、大げさなことではなく、きみに寄り添ってそっと言葉をかけてあげることかもしれません。「人生は、そんなに悪くないよ」ということを私なりの思いをもって示していきたいと思います。
本当に人生はいろいろで、一人として同じ道を歩む人はいません。人生はそれぞれいろいろですが、決して一人では生きていくことはできません。誰かの世話になったり、人との出会いがあって生きていく力をもらったりします。
春に咲く花、夏に咲く花、四季に咲く花も数々あります。間違ってしまうのは、自分は遅咲きの花なのに、春に咲こうと焦るからです。歯を食いしばり、やせ我慢を張ってでも頑張り続ける年月が必要な場合もあります。愛情を注ぎながら育てれば、葉をたくさんつけて花を咲かせ、たくさんの実をつけることでしょう。
毎年、聖なる力が宿る高尾山を訪れる人は多い。その自然の懐に聖パウロ学園という一人ひとりの生徒をかけがえのない存在として、真の人間教育をしている学校があること知らしめたい。
学校長 小島 綾子